ISBN:4062099306 単行本 西尾 和美 講談社 1999/10 ¥1,680

近く結婚して子供も作りたいと思っているので、親になるに際して学ぶべきことをいろいろ勉強している。

あるサイトを見ると「育児は育自だ」と言っている方がいて、見事だ!と思った。

自分の成長を忘れた時、人間はバカになる。そう思う。

いろいろ読んだり考えたりしたけど、ようは、

●自分が成長しよう

としていれば、子供も成長するんですね。
それを「私は大人だから、成長したり勉強したり、学習したりする必要はない」という、バカ丸出しの発想のままでいるから、すべてがおかしくなってしまう。

人間ね、生きてる限り勉強ですよ。
そんなもの。
当然じゃん。
何言ってるの。
「二十歳すぎたら大人」と法律ではなってるけど、それは他に目安がないからそう言ってるだけで、年齢的に大人でも、勉強してない奴をそれなりに勉強してる人間から見たら「バカじゃん、こいつ」でしかないわなぁ。「子供やね、これでは。」で終わり。

多少なりとも勉強している人間というのは、「俺、バカだよな。」と自覚したからこそ勉強しているわけで、そういう人間から見れば「俺、バカだよな」という自覚すらできてない人間など、評価の対象にすらならない。

そういうこと。

で、いまの世の中、子供が子供を育てているのだから始末が悪い。

で、この本は、タイトルこそ「機能不全家族」となっているが、内容的には「機能不全な家族から機能する家族へ変わるにはどうしたらいいか」という基本的な考え方の書かれている本だ。成長するためのステップが書かれている。

僕的にはアダルトチルドレンとかいろいろ調べたので、分っていることが多く、新味のない内容なんだけれど、「自分のやっていることが機能していない機能不全なのだ」とすら気づけていない、「自分が成長することの必要性」にすら気づけていない、一般の家庭の「親だと思いこんでる子供みたいなアホな親」には大きく役立つのかもしれない。

(あんまりキツイ書き方してないし。この手の人たちは本当に優しいよねぇ。そんなもの、「お前が無知なだけじゃアホ」で良いと僕は思うのだが、そうは書かない。ちゃんと手順を追って、分りやすく、納得できるように書いている。人格的に素晴らしいよなぁ。頭が下がる。私も見習わねばとは思う。なかなか真似はできないのだけども。)

ともあれ、納得しにくいところは、すぐに具体的なケーススタディになって説明されるし、それらが数多く載っているので「自分がダメ親であるということをわかってない親」にも、何が問題なのかが、わかりやすいだろう。

タイトルが良くないので地味な感じがしてしまうが、まぁ、まず自分が「機能してない親なのだ」と気づかないと親業はスタートしないだろうなとは思うので、こんなタイトルでもしかたないかなぁとは思う。

しかし、実際には、けっこう良く売れている本であるらしく文庫版も出ているし、大阪の書店でも、棚には一冊しか入っていないが、なくなったらすぐに補充されるポジションにある本である。ようするに数冊は在庫がされているってことだ。それだけ良く出ているって事です。

実際内容は、「自分が親として機能していない」人が「機能する」ようになるための考え方や方法論ばかりだし、読みやすくて説得力もあると思う。

でもなぁ、僕としては「そんなこと当然やろ」と思うことが多くてたいくつでした。
なので、読了まで時間がすごくかかった。
でもまぁ、良い本ではあるでしょう。

それより、「親業」に関して本の最後に紹介が載っていて、それをインターネットで検索して驚いたよ。

親業訓練協会なんてものがあるんだね。
http://www.oyagyo.or.jp/

このホームページ見て感心した。

自分が成長しようともしない、ダメ親は、即刻このページを見て、他の「成長しよう」としている親の方々と知り合って、自分がいかに「成長しようとしていないダメ親」であるかを知るべきですな。

ダメ親ってのは、あるんやなぁってこと。
まずそこを知らないとダメなので、それでこの本のタイトルは「機能不全家族」になってるんだよなぁってつくづく思う。

「親業」もまた、学ばないと身に付かない「ノウハウ」のひとつなんだよ。自転車の乗り方も学ばないと身に付かないし、車の運転も教習所で習わないと身に付かないのといっしょ。

で、世間一般の親は、教習所ではなく、いきなり無知なまま一般車道で運転を開始してるようなものなんだなぁ。考えたら無茶苦茶だよねぇ。
「親業」に関しては、高校あたりで正規の授業として教えてもいいくらいだと思うわ、私は。ほんとに。

ということで、まぁ、いろいろ参考にはなります。
すでに親になってしまってる人も読んでください。
僕みたいに「アホ!」とか叱り飛ばさない、優しい口調なので読みやすいはずです。

(この、「アホ!」と叱りとばされてスネるところが、まさにダメ親がダメ親である真の証拠なんだけど、まぁそれは言わないでおこう。ここでスネる親は、本当にダメだと思う。)

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