人の心は移ろいやすい。

人間の顔の筋肉は43種類ほどあって、その各部の力の入れ具合で表情は作られています。
その組み合わせは、数千にも数万にもなるわけで、これらの組み合わせから、幸せやら怒りやら、大笑いに大泣き、果ては絶望やたくらみ、羨望やらねたみにいたるまで、すべての感情が表現されてしまっています。

でも、どれか特定の表情をすぐに出そうと思っても、実はなかなか思い通りに筋肉が動かせるわけでもなく、やっぱり悲しい表情をつづけていると、その表情が固定化されやすいものでもあると思います。

この表情が表す感情を研究した学者の報告によれば、特定の表情を自分で筋肉を動かして自分の顔で再現してみると、恐ろしいことに、「気分」までが、表情とともに内面に芽生えたのだそうです。

だからそれは、「悲しいから泣く」という理屈が成立すると同時に、実は「泣くから悲しい」という理屈も成立するという話なのでありますね。

「へー、やっぱりそうだったのか。」と思うと同時に、人の表情はウソをつけないということもよくよくわかりました。おおむね、その人の顔の表情をじっと見つめていれば、言葉や明確な論理ではなく、直感とか無意識で「こいつは怪しい」というような事が読み取れてしまうわけです。

で、もうひとつ言えるのは、たとえば不幸を抱えている人は、いくら表情を明るく保っても、肝心の筋肉のどこかがちゃんと幸せそうに動いていないので不幸な気分が伝わってしまいますし、たぶんおそらく、そういう気分を感じ取っているときには、大なり小なり、自分の不幸に感ずる筋肉を軽く動かしてシミュレーションして、その「気分」を察知しているんだと思います。

つまり、顔の表情から「気分」が伝染していくって事ですね。

で、やっと冒頭の話につながるのですが「人の心は移ろいやすい」という事の大切なポイントが「気分は伝染する」というところに関係してくるわけです。

いくら、食事に気を使ったり、筋トレをして気分を前向きにしたり、お笑い番組などで大笑いしてみたところで、日々の周りからの影響というものの大きさは、これはやはり無視できないくらい大きなものなわけです。

なので、やっぱり不幸な考えなどを抱いている人には、あまり近づかない方がいいでしょうし、本当に幸せそうにしている人には、できるだけ近づいた方が賢いわけです。

しかし、人間関係というのは、自分の一存だけで決められない部分もありますから、そういうときの大事なリフレッシュ方法として、「自分が幸せそうにしている状態の写真を撮って、壁に貼るとか、写真立てに立てておく、というやり方がありまして、僕はこれ、かなり良い方法だよなぁと思っておるのであります。

自分の顔の筋肉ですら、簡単にはコントロールするのはなかなかに難しいわけですが、それでも自分がもっとも幸せそうに笑った顔というのは、誰にとっても必ず再現可能な表情なわけですから、そういう幸せな表情の写真を部屋の中に飾っておくと、それを見るたびに、顔の表情が再生され、幸せな気分に「自動的に」戻っていくのですね。

この「自動的」というところが、多分、かなり重要なのであります。

そんなもんね、「はい、笑顔を作ってー。笑ってみましょう!」と言われたって、無意識のうちに固まってしまった表情筋なんて、そう簡単には動かせないわけですよ。

でも、写真が飾ってあって、そういう表情を再生するというのは、大なり小なり無意識のうちにやってしまうものなのです。

だから、幸せな自分の表情の写真を飾っておくというのは、コントロールしにくい「気分」というものを、無理せず上向きにしてくれる、なかなかに素敵なツールだよなぁと僕は思っておるのであります。

しかも、ですね。
デジカメのプリントなんて、1枚18円から30円前後のものなわけです。無茶苦茶に安い。

こんなに安いのに、自分に幸せな気分の維持に効果があるわけですから、これは是非とも多くの方に実践していただきたい手法だよなぁと、私は思っておるのであります。

欧米だと、家族の写真を自分の仕事場のデスクの上にまで飾っている、なんてパターンがあったりします。(ダイハードの1なんかはそういう話が入ってましたわね。まぁあれは離婚した嫁との写真を後生大事に飾っているというような、ちょっとどうだろうか?というネタではありましたが。)

別に顔の表情でなくても、自分が「ああキレイだな」と感じた風景の写真を部屋に飾っておくだけでも、精神衛生上は、かなり豊かな気分になりますので、もしデジカメで、いろいろな撮影をするのが好きな方は、パソコン画面で見るだけでなく、是非是非、部屋の中で飾る、ということをやってみていただきたいなぁと私は思うのであります。

毎日、自宅に戻ってくるたびに、気分の良くなる方向に自分の感情面が再セットされる感じがあって良いものです。

ぜひみなさんも、お試しあれ。

コメント

nophoto
勝無
2011年3月28日13:31

ひとよみにっき再開おめでとう御座います。

自分の幸せを確認して、自分自身がいつも幸せでいられて、その幸せが表情を通じて伝播していく。
素敵な事ですね。
また、震災後の今こそ必要な事ですね。

ひとよみにっきご繁栄を祈念いたします。

シゲ
2011年4月8日6:31

>勝無さん
書き込みありがとうございます。ちょっとレスが遅れて申し訳ありません。
写真はプリントアウトすると楽しいですよー。
意識せずに「楽しい気分」になれます。そこが良いところです。

この記事を書いたときは、まさかこんな震災が来るとは思っておりませんでしたが、まさに、勝無さんのおっしゃるとおり。こういう時こそ、がんばらなくても楽しい気持ちに自然となれる写真のプリントアウトは効果的だと思います。

写真をプリントして、がんばろう日本です。
良い気づきをいただいてありがとうございました。

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