1分間自己革命―自分を大切に生きる心のトレーニング
2010年8月27日 読書
まえに紹介したはずだと思っていたのですが、検索してみると、どうもキチンと紹介した頁が出てこないので、こんなに大事に思っている本なのに、紹介しそこねているようです。なので、ちゃんと紹介しようと思います。
1分間自己革命―自分を大切に生きる心のトレーニング
http://astore.amazon.co.jp/kids1226-22/detail/4478730350
です。
初版が1986年。もう25年も前の古い本です。
今年は、年初から少し読書量を増やそうと思っていて7月までで70冊くらい読んだのですが、そういう読み飛ばす感覚とは別に、じっくり味わいながら再読するという事もしようと思って、もう、何度も読んでいるこの本を、また読み直しました。
自己啓発書の類は、それこそ何冊も読んでいるんですが、とどのつまりは、この本に帰ってくるなぁとしみじみ思います。結局、この本を越えてる自己啓発書には、いまのところ出会っていない、というのが本当のところです。
内容は、ストーリー仕立てになっていて、人生をより良く生きたいと考えたひとりの男が、人生の師として、身近なところで幸せそうに暮らしている「おじさん」にその秘訣を聞きに行く、というものになっています。
一冊を通して語られているのは、気ぜわしい毎日でも、意識して立ち止まり、判断を停止して「自分のための1分間」をとりなさい、ということです。
たった1分間でいい。
そのほんの少しの「自分のための1分間」で、「いますぐ自分のために実践できる、もっとも単純な事はなんだろう?」と自分に問いかけ、それを行う、ということをやりなさいと勧めているのですね。
なんでもない事のように感じられるかも知れませんが、これはとても効果的です。
簡単に言えば、禅で行う内観を、日常でも活用しましょうという事ですね。あるいは、瞑想の簡易版を1分間に限定して、一日に何度もやってみてはどうですか? という提案でしょう。
しかし、そういう技法は、あくまで技法であって、この本が良いのは、その技法がなぜ効果的で、人生に大きな影響を与えるのか? という事を、シンプルな言葉でまとめてあることです。なぜ「自分のための1分間を取ると良いのか?」ということが、ていねいに描かれているところが、無理なくテーマが染みこんでくるポイントだと思います。
たとえば、ストーリーに沿って、大切なポイントが太書きで示されるのですが、それはこんな感じ。
============================
まず自分自身を大切にしなければ、
どんなことも、また何人をも
大切にすることはできない。
============================
考えてみれば当たり前なんですけれども、単純ではあるけれど、物事の本質を突いたひと言です。
あるいは、こんな感じ。
============================
ほかの人々に
自分をこう扱ってほしいと思うように、
自分自身のことも扱う。
============================
このひと言も、どうと言うことはないように見えますが、「お客さまをもてなすように自分を扱う」ではなく、「他者から、自分をこう扱って欲しいと思うように、自分を扱う」であるところがすごく重要なんです。
「お客さまを扱うように自分を扱う」だと、自分を他人扱いしてるわけだから、自己疎外が始まってしまうんですよね。そうではなくて、「他の人から、こういうように扱ってもらったらうれしいよなぁ。」という自分の希望を、自分の手で、自分に対して行う、ということが大事なわけです。
先日書いた日記、
ひとり暮らしと自己責任。
http://hitoyomi.diarynote.jp/201008101717005209/
とも内容は重なりますが、このあたりは同じですね。いつもきれいな下着があったら気持ちいいな、と思って洗濯をするというのと同じ事です。そこに自分自身への「ケア」があるということが大事なんですね。自分への「ケア」を自分でやる、ということです。
こういう事の大切さは、ひとり暮らしをしないと、なかなか身に付かない部分も大きいのですが、ひとり暮らしをしていなくても、
一日に何度も「自分のための1分間」を取る。
と言うことをしていれば、ひとり暮らしをしているのに近い効果はあるはずです。
大事なことは、その「自分のための1分間」を取ってから後の行動は、何をしたにせよ、自分自身に「充足」をもたらす、ということなんですね。
満ち足りる。
自己充足があるから、他者との関係においても、多くを期待せず、相手の状況をそのまま受け入れる余裕が出てくるという流れなのです。
その流れを、自分から生み出すことが出来る、ということなんですね。
これは、まだまだ僕にはできていない事ですが、
============================
1分間で自分の態度は変えられる。
しかも、この1分間で、
自分の一日の全てを変えられる。
============================
という事も、この本には入っています。イライラしたら、自分のための1分間を取って、悪い考え方に凝り固まっていないかを自己チェックする、という事なんですね。そして、良い考え方に入れ替える。
まぁ、これは1分間ではなかなかできないと思いますが、それでも、その変更を1分間くらい試してみるのは悪くはないはずです。たった1分なんですから。
1分というのは、短いようでいて、意外と使いでのある、有用な時間単位なんですよね。
それを知る、というだけでも、かなり重要な事です。
その1分間を「自分自身の叡智に問いかける」ために使う。
それだけで、かなり結果の異なる人生が生まれてくるんです。
だから、1日に何度も、「自分のための1分間」をとりなさい、と言う結論になってくるわけです。
人は、いつのまにか、自分ではない、「世間の風潮」や、「世の流れ」のためにかけずり回っていたりするんです。
でも、そんなあなたの人生は、いったい誰のための人生ですか?
世間のためのもの? 家族のためのもの? 人類社会のためのもの?
そのどれもが正解でしょうけれど、まず最初は「自分自身のためのもの」から始めないと始まらないんです。
自分が不幸せで、不機嫌になってる人の話は、結局誰も聞いてくれはしないものなのです。
だからこの本では、自分が充足したら、身の回りの人にも、「まず自分を大切にする態度を身につけてもらうようにしましょう。」という提案をしています。
============================
ほかの人たちが自分のことを大切にすれば、
彼ら自身が幸せになるだけでなく、
わたしも幸せになる。
============================
ということなんです。
単純に言って、身の回りにいてる、「不機嫌な人間」がひとりでも減れば、それは自分にとってもありがたい事だ、ということなんですね。
で、その人の不機嫌は、その人自身で解決してもらうしかないわけですから。
このあと、この本には、「愛されることよりも愛する事を優先しよう」とか、「良い人間関係は、自分を大切にしている人間同士の間で生まれる」というような話に進展していきますし、そういう「お互いを大切に生きる」生き方が、広く社会に広がる事を望む話にもつながっていくのですが、まぁ、このあたりは、かなり高度な話なので、僕にはまだまだ実感できません。(だからこそ、何度も読んでるわけですが。)
それでも、やっぱり、ひとりひとりが、まず最初に何をすべきか?というと、とどのつまりは、
「自分自身のための1分間を取る」
というところに戻るんですね。
すべては、そこからしか始まらないわけです。やっぱり。
とにかく、まず自分自身の叡智に問いかける。
「いますぐできることで、私自身を大切にできる事は何だろうか?」と。
その答えこそが、次の1分間にするべきことなんです。
この自己の内観的態度を忘れていると、人間はいつのまにか、「社会的うわべ」だけのために働くロボットのようになってしまい、不機嫌でやる気の出ない、つまらない毎日がやってきてしまうわけです。
そういうようなことで、僕は、この本を、ことあるごとに読み返してます。通読したのは数回ですけど、お気に入りの部分は、それこそ何度も読み直しているんですね。とくに、この1~2年は。
「やっぱり名著だよなぁ」と、しみじみ思います。
とても良い本です。
もう絶版のようで、アマゾンのマーケットプレイス(古本取り次ぎサービス)とかでしか手に入らないようですし、値段も中古取り扱いで50円とかの投げ売り価格と、コレクター商品扱いでの1980円とかの、とんでもない混在になってしまっている本ですが、興味のある方はぜひ。
僕にとっては、フリーランスのライターとして仕事をすることになったきっかけを作ってくれた本でもあるので、とても思い出深い本なのです。
おすすめです。
1分間自己革命―自分を大切に生きる心のトレーニング
http://astore.amazon.co.jp/kids1226-22/detail/4478730350
です。
初版が1986年。もう25年も前の古い本です。
今年は、年初から少し読書量を増やそうと思っていて7月までで70冊くらい読んだのですが、そういう読み飛ばす感覚とは別に、じっくり味わいながら再読するという事もしようと思って、もう、何度も読んでいるこの本を、また読み直しました。
自己啓発書の類は、それこそ何冊も読んでいるんですが、とどのつまりは、この本に帰ってくるなぁとしみじみ思います。結局、この本を越えてる自己啓発書には、いまのところ出会っていない、というのが本当のところです。
内容は、ストーリー仕立てになっていて、人生をより良く生きたいと考えたひとりの男が、人生の師として、身近なところで幸せそうに暮らしている「おじさん」にその秘訣を聞きに行く、というものになっています。
一冊を通して語られているのは、気ぜわしい毎日でも、意識して立ち止まり、判断を停止して「自分のための1分間」をとりなさい、ということです。
たった1分間でいい。
そのほんの少しの「自分のための1分間」で、「いますぐ自分のために実践できる、もっとも単純な事はなんだろう?」と自分に問いかけ、それを行う、ということをやりなさいと勧めているのですね。
なんでもない事のように感じられるかも知れませんが、これはとても効果的です。
簡単に言えば、禅で行う内観を、日常でも活用しましょうという事ですね。あるいは、瞑想の簡易版を1分間に限定して、一日に何度もやってみてはどうですか? という提案でしょう。
しかし、そういう技法は、あくまで技法であって、この本が良いのは、その技法がなぜ効果的で、人生に大きな影響を与えるのか? という事を、シンプルな言葉でまとめてあることです。なぜ「自分のための1分間を取ると良いのか?」ということが、ていねいに描かれているところが、無理なくテーマが染みこんでくるポイントだと思います。
たとえば、ストーリーに沿って、大切なポイントが太書きで示されるのですが、それはこんな感じ。
============================
まず自分自身を大切にしなければ、
どんなことも、また何人をも
大切にすることはできない。
============================
考えてみれば当たり前なんですけれども、単純ではあるけれど、物事の本質を突いたひと言です。
あるいは、こんな感じ。
============================
ほかの人々に
自分をこう扱ってほしいと思うように、
自分自身のことも扱う。
============================
このひと言も、どうと言うことはないように見えますが、「お客さまをもてなすように自分を扱う」ではなく、「他者から、自分をこう扱って欲しいと思うように、自分を扱う」であるところがすごく重要なんです。
「お客さまを扱うように自分を扱う」だと、自分を他人扱いしてるわけだから、自己疎外が始まってしまうんですよね。そうではなくて、「他の人から、こういうように扱ってもらったらうれしいよなぁ。」という自分の希望を、自分の手で、自分に対して行う、ということが大事なわけです。
先日書いた日記、
ひとり暮らしと自己責任。
http://hitoyomi.diarynote.jp/201008101717005209/
とも内容は重なりますが、このあたりは同じですね。いつもきれいな下着があったら気持ちいいな、と思って洗濯をするというのと同じ事です。そこに自分自身への「ケア」があるということが大事なんですね。自分への「ケア」を自分でやる、ということです。
こういう事の大切さは、ひとり暮らしをしないと、なかなか身に付かない部分も大きいのですが、ひとり暮らしをしていなくても、
一日に何度も「自分のための1分間」を取る。
と言うことをしていれば、ひとり暮らしをしているのに近い効果はあるはずです。
大事なことは、その「自分のための1分間」を取ってから後の行動は、何をしたにせよ、自分自身に「充足」をもたらす、ということなんですね。
満ち足りる。
自己充足があるから、他者との関係においても、多くを期待せず、相手の状況をそのまま受け入れる余裕が出てくるという流れなのです。
その流れを、自分から生み出すことが出来る、ということなんですね。
これは、まだまだ僕にはできていない事ですが、
============================
1分間で自分の態度は変えられる。
しかも、この1分間で、
自分の一日の全てを変えられる。
============================
という事も、この本には入っています。イライラしたら、自分のための1分間を取って、悪い考え方に凝り固まっていないかを自己チェックする、という事なんですね。そして、良い考え方に入れ替える。
まぁ、これは1分間ではなかなかできないと思いますが、それでも、その変更を1分間くらい試してみるのは悪くはないはずです。たった1分なんですから。
1分というのは、短いようでいて、意外と使いでのある、有用な時間単位なんですよね。
それを知る、というだけでも、かなり重要な事です。
その1分間を「自分自身の叡智に問いかける」ために使う。
それだけで、かなり結果の異なる人生が生まれてくるんです。
だから、1日に何度も、「自分のための1分間」をとりなさい、と言う結論になってくるわけです。
人は、いつのまにか、自分ではない、「世間の風潮」や、「世の流れ」のためにかけずり回っていたりするんです。
でも、そんなあなたの人生は、いったい誰のための人生ですか?
世間のためのもの? 家族のためのもの? 人類社会のためのもの?
そのどれもが正解でしょうけれど、まず最初は「自分自身のためのもの」から始めないと始まらないんです。
自分が不幸せで、不機嫌になってる人の話は、結局誰も聞いてくれはしないものなのです。
だからこの本では、自分が充足したら、身の回りの人にも、「まず自分を大切にする態度を身につけてもらうようにしましょう。」という提案をしています。
============================
ほかの人たちが自分のことを大切にすれば、
彼ら自身が幸せになるだけでなく、
わたしも幸せになる。
============================
ということなんです。
単純に言って、身の回りにいてる、「不機嫌な人間」がひとりでも減れば、それは自分にとってもありがたい事だ、ということなんですね。
で、その人の不機嫌は、その人自身で解決してもらうしかないわけですから。
このあと、この本には、「愛されることよりも愛する事を優先しよう」とか、「良い人間関係は、自分を大切にしている人間同士の間で生まれる」というような話に進展していきますし、そういう「お互いを大切に生きる」生き方が、広く社会に広がる事を望む話にもつながっていくのですが、まぁ、このあたりは、かなり高度な話なので、僕にはまだまだ実感できません。(だからこそ、何度も読んでるわけですが。)
それでも、やっぱり、ひとりひとりが、まず最初に何をすべきか?というと、とどのつまりは、
「自分自身のための1分間を取る」
というところに戻るんですね。
すべては、そこからしか始まらないわけです。やっぱり。
とにかく、まず自分自身の叡智に問いかける。
「いますぐできることで、私自身を大切にできる事は何だろうか?」と。
その答えこそが、次の1分間にするべきことなんです。
この自己の内観的態度を忘れていると、人間はいつのまにか、「社会的うわべ」だけのために働くロボットのようになってしまい、不機嫌でやる気の出ない、つまらない毎日がやってきてしまうわけです。
そういうようなことで、僕は、この本を、ことあるごとに読み返してます。通読したのは数回ですけど、お気に入りの部分は、それこそ何度も読み直しているんですね。とくに、この1~2年は。
「やっぱり名著だよなぁ」と、しみじみ思います。
とても良い本です。
もう絶版のようで、アマゾンのマーケットプレイス(古本取り次ぎサービス)とかでしか手に入らないようですし、値段も中古取り扱いで50円とかの投げ売り価格と、コレクター商品扱いでの1980円とかの、とんでもない混在になってしまっている本ですが、興味のある方はぜひ。
僕にとっては、フリーランスのライターとして仕事をすることになったきっかけを作ってくれた本でもあるので、とても思い出深い本なのです。
おすすめです。
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