ISBN:4166603760 新書 関岡 英之 文藝春秋 2004/04/21 ¥735
http://astore.amazon.co.jp/kids1226-22/detail/4166603760/249-9767057-8485143

今日、今年の3月31日に書いた「テレビを見ない生活」にコメントをいただきまして、ハッと気付いたのですが、ドタバタしていて、こちらの日記には、この大事な大事な本の紹介をしていなかったのですね。mixiの方では紹介してたので、こっちでも紹介したつもりになってました。なので、あわてて紹介することにしました。

先に紹介した
「最高支配層だけが知っている日本の真実」
http://astore.amazon.co.jp/kids1226-22/detail/488086210X/249-9767057-8485143
と同じで、我々が住んでいるこの国の裏側にある問題点を、くっきり浮き彫りにしている、日本人全員の必読の書です。ぜひ読んでいただきたいです。

反米を形だけ言っていても、意味はなく、まず自分たちの足下がどうなっているのかをキチンと見据えることが大事で、それは遠くの国で戦争が起きている事を、テレビのお祭り騒ぎにあわせて合唱するより、この書籍のように、まず自分達の国がいかに被害を被っているのかを知ることの方が先なのです。

しかし、この肝心の事実を知っている人の方が少ない。そこが一番問題です。
みんな身の回りの問題に鈍感なんですよねぇ。うーむ。

まぁ、とにかく、この本だけは必読の書です。ぜひお読みください。

以下、mixiからの私の書評の転載です。
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●日本人必読の書。

前から、ずっと「読まなければ」と思いながら、読まずにおいた、この本を、やっと読み終えました。

拒否できない日本 〜アメリカの日本改造が進んでいる〜
関岡 英之 (著)
http://astore.amazon.co.jp/kids1226-22/detail/4166603760/249-9767057-8485143

「年次改革要望書」という、アメリカが日本に突きつけてくる、「日本改造計画」について、徹底的に読み込んで、その危険な本質をキチンと解説してくれている良書です。

これからの日本がどうなっていくのか(良いか悪いかは、あえて問わない。)は、この「年次改革要望書」を読めば、全部分ってしまう。言わば、この要望書はアメリカ(経済・産業界)からの「命令書」なのであります。

そういう嫌な書面の存在を明らかにした最初の書籍ですね。

前から「年次改革要望書」の存在は聞いていて、「なんで日本はここまでアメリカの属国に成り下がらねばならんのだ」と思っていたのですが、そういう事のすべてが、この「拒否できない日本」に書かれてあります。思っていた以上にヒドイですね。内政干渉なんてもんじゃないです。日本を、アメリカの州のひとつと勘違いしてる、というレベルですね。日本人独特の考え方や地域的文化というものが存在しているのだ、という事は一切考慮されていない内容です。

で、情けないのが、こういう文書の存在を、日本の政治家、とくに権力の中枢にいる人ほど、隠そうとすることです。小泉純一郎君なんかは完全にそのタイプ。自分が「アメリカの雇われ首相」であることを、国民に見透かされたくないからか、とにかく隠すし、すっとぼける。

実際、一昨年の郵政改革選挙の時に、俗に言う「郵政改革反対派」の議員さんたちが、この「拒否できない日本」という書籍を取り上げて、小泉さんに、「あなた、このアメリカからの要望書のとおりに改革をやってるだけじゃないか」とつっこんだら、小泉のヤローは「そんな書類は知りません」とかすっとぼけたわけでねぇ。みっともない奴やなぁ、小泉は。

そういう国会でのやりとりが議事録に残っているというのに、選挙の最中には、その議事録の参照ができないようになってたんですよ。知ってました? みなさん。
ほんまにとんでもない話で。

で、別にこの「年次改革要望書」って、秘密のウラ取引でもなんでもなくて、アメリカの側からしたら、「言うたもん勝ち」って感じで、各産業界からの要望をとりまとめて、堂々と「これだけの改革を日本に呑ませてやったのだ!」とネット上で自慢げに、大公開されているわけですよ。「ロビィ活動の成果報告」みたいな気分なんでしょうね。

て、ですね。おどろくなかれ、この「要望書」は、キチンと日本語訳までされていてですね、アメリカの政府ホームページに掲載されているのです。「どうだ!ここまで日本に命令してやったのだぞ!」みたいな感じで。

なので、小泉君はひた隠しにしてましたけど、秘密でもなんでもありません。以下の文章は、あなたにも読めますので、どうぞ読んでください。日本語ですから。

●2004年版
http://tokyo.usembassy.gov/j/p/tpj-j20041020-50.html
●2005年版
http://tokyo.usembassy.gov/pdfs/wwwfj-regref20051207.pdf
●2006年版
http://tokyo.usembassy.gov/pdfs/wwwfj-20061205-regref.pdf

読めば分りますが、もうほんとに事細かく、重箱の隅をつつくかのように「日本の仕組みを、こういう具合に変えなさい」とウダウダ書き連ねた内容です。

で、しかも、そのほとんどが実際に採用されて、日本の経済・産業の仕組みがどんどん変えられていってるわけです。

どういうことやねん! という事ですわな。
国民の意見を反映させるより前に、この要望書の意見ばっかり聞いてる。それはもう、ほんまにひどいものなわけです。

「ひどい」代表例は建築基準法の改正(つーか、改悪)の話ですね。この改正があったのは、1998年の6月。あの阪神淡路大震災の三年後でして、この改正は「半世紀ぶりの大改正」と言われたものなわけです。
日本人の誰しもが、「阪神淡路大震災を教訓に基準法が強化されたのだろう」と思ってたわけです。というか、いちおう建前としては、教訓にしたとかなんとかは書いてあるわけですが、実際には違う。
海外のデベロッパーが参入しやすいように、強度計算とか、そういう耐久性に関するチェックが「甘く」なるように改正されているわけです。

いや、いや、いや、それは逆やろ! と思うわけですが、でも、「年次改革要望書」で、前から「日本の建築業は強度とか小うるさいこと言い過ぎ」とつつかれていたから、そこを簡素化したっつーことなわけです。

だから姉羽(だっけ?字忘れた)さんがどうとかこうとか、そんなことは些末な事なわけです。
地震という災害に鈍感な国民であるアメリカの産業界から「規制がきつすぎるから、甘くしろ」と言われて、甘くした結果が、あのアネハさんの問題という結果につながってるわけです。

そらね、アネハさんがカツラやからうんぬんとか言ってる場合やないわけですよ。
問題はこの「年次改革要望書」の方ですよ。
こんなもの、そのまま鵜呑みにして、改革やったらアカンがな!
ちゅう話です。

ちょっとだけ、この「拒否できない日本」の内容を目次で紹介しますと、

1.北京・シカゴ枢軸の怪
2.対日圧力の不可解なメカニズム
3.この世はアングロ・サクソンの楽園
4.万人が訴訟する社会へ
5.キョーソーという名の民族宗教

という5つのブロックで構成されています。

1.の「北京・シカゴ」の項目は、まさにイントロという内容で、この1.のブロックから読んでいくと、上質の推理小説を読むように、いかに小さな疑問を積み重ね、解き明かすことで、一番の本丸である「年次改革要望書」にたどりつくことになったのか、までを、著者の関岡さんの視点で読めて、大変面白いのです。

面白いのですが、しかし、この1.のブロックは、正直「イントロ」ですので、お急ぎの方は飛ばしてもいいと思います。

真に重要なのは、2.の「対日圧力の不可解なメカニズム」です。このブロックさえ読めば、まぁ、「年次改革要望書」という存在の薄気味悪さと、うっとおしさ、怪しさが分ります。

なので、「とりあえず本論だけ知りたい」という方は、この2.のブロックだけでも、読んでください。
作者の関岡さんには申し訳ないですけども、この2.のブロックだけ立ち読みで読まれてもいいと思います。
とにかく、ひとりでも多くの人が、この「年次改革要望書」という存在の問題に気付いて、論議の対象にすることです。それこそが「日本人の国益を守る」という論点から、非常に重要です。

一刻も早く、お読みください。ほんとうに。2.のブロックだけでもいいから。

続く、3.4.5.のブロックは、さまざまな論文、文書などを駆使して、日本とアメリカの文化の違い、いや、それどころか、ヨーロッパの「大陸系」の国々と、アメリカ・イギリスの文化がいかに異なるのか。(先の私のフラガールの感想文にも書きましたが、地政学的な違いですね。それそのものです。)
いかに訴訟社会で、競争を良しとする「特異」な文化をアメリカが持っているのか、という「アメリカは文化的に異常であるのに、その異常を世界に押しつけてる論」を徹底して展開していて、実に読み応えがあります。

読み応えはあるのですが、これもまた、関岡さんの「持論の展開」の部分で、実に深い洞察力のある、すばらしい内容ではあるのですが、ここもまた、お急ぎの方は飛ばしてもらってもかまわないかと思います。

とりあえずは、2.の「対日圧力の不可解なメカニズム」だけは、どうしても読んで欲しいなぁ、日本人なら。と思うわけです。

っていうか、阪神淡路大震災を体験した関西人として、建築基準法の「改悪」がアメリカの差し金でしかないっていう事実が、もう心から情けない。悲しい。許せない。わけです。

だから、この2.の「対日圧力の不可解なメカニズム」だけは読んでください。ほんとに。
立ち読みでもいいです。
(できれば、ちゃんと買って、全部読んでください。)

本当に「日本人全員必読の書」です。

ぜひとも読んでください。

この本を読んだ後で、この2月13日の予算委員会で、亀井静香がやった「代表質問の時間を利用した、大演説」の動画を見ると、この演説が、いかに内実をともなったものであるかが実感としてよくわかります。

http://www.shugiintv.go.jp/jp/video_lib3.cfm?deli_id=33410&;;;media_type=wb

まぁ、実に見事な大演説です。
後半の安部君への質問攻勢は、「すごい」という人もいるけど、まぁどっちでもいいや。出だしの20分くらいがとか、すごい。
東国原知事が談合をなくして…とか言ってるけど、談合もまた、地方経済のバランス調整行為なのだ、ということも、ちょっとは考えなきゃダメだよって思う。
いやまぁ、昔ながらのやり方が全部良いとも言わないけどさ。

ともあれ、この「拒否できない日本」は必読です。

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