最高支配層だけが知っている日本の真実
ISBN:488086210X 単行本(ソフトカバー) 副島国家戦略研究所 成甲書房 2007/02/15 ¥1,890

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売れているのだそうである。この本。
と言っても別に驚かない。
少なくとも梅田のブックファーストあたりでは、一番人のよく見る一階の棚で平積みどころか、棚にドドンと十冊くらい平積みで並んでいる。

やっと世の中が副島さん一派の知性に追いついてきた感じがして感慨深い。

もともと、世に言う「陰謀論」というのは、よほどの裏付けがない限り、語るべきではないと私は考えていたのだけれど、副島さんと、そのお弟子さんたちは、コツコツ、コツコツと公開情報や海外の文献などをたんねんに読み込んで、とうとうここまでの本、というか論文ですな、そういう業績を築き上げてくれました。

ずっと副島さんところの会員制サイトで会員を続けていて、応援してきたかいがあったというものです。

簡単に師弟関係を紹介すると、先日紹介した憲法言論の小室直樹先生が、副島隆彦の先生にあたります。小室先生は僕も大尊敬していますが、それは副島さんも同じ事。「学恩」というものを感じています。

この「学恩」というものは、「そうか!そうだったのか!」というアハ体験なしには感じる事ができないもので、結局いろいろなことに継続的・持続的に疑問を持ちつつ学習していかないと実感できないのかも知れませんが、一度そういう体験を得ると視野の広大な広がりや考え方の大転換が行われるだけに、ものすごく大きな喜びを感じられるものなのですね。なので「学恩」というのは大きい。

それはそれとして、この「日本の真実」という本は、副島さんのお弟子さん達が書いた本です。
副島隆彦さんも重要な一編を載せてますが、一編だけです。主役はお弟子さんたちでしょう。
で、そのお弟子さん達の書いている内容が充実している。そこが素晴らしい。

これで、小室-副島-その弟子という三代の流れができたことになります。僕としては、この流れが存在しているということがとてもうれしい。

ここで紹介しているアマゾンの書籍の画像には「オビ」がついていないので、わからないですけれども、実際の本には「真実はやがて世の中にじわじわと広がる。」というキャッチコピーが添えられているんですね。そのじわじわというのはまさに、師弟関係の教えあい、切磋琢磨しあう過程を含めた「時間という熟成装置」のことだよな、と思うのです。

この二三年で言うと、僕としては、副島さんの原稿とかより、そのお弟子さんである「アルルの男・ヒロシ」こと、中田安彦さんのブログ

http://amesei.exblog.jp/

のほうを、けっこう楽しみにしていたりする。実に視点が現実的で、なおかつ物事の「ウラ」読みもキチンと押さえていて面白いのだ。
いやまぁ、基本的には副島さんのファンなんですけどね。
でも、こうしてお弟子さん達が育っているというのが、実にすばらしい。あえてたいそうに言うなら、まぁ日本の宝です。いや、ほんとに。

最近では、ベンジャミン・フルフォードの一連の書籍や発言とか、小林よしのりのインタビューを目玉に持ってきて、けっこう書店でアピールした、「アメリカの日本改造計画」

http://www.amazon.co.jp/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%81%AE%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%94%B9%E9%80%A0%E8%A8%88%E7%94%BB%E2%80%95%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%83%9F%E3%81%8C%E6%9B%B8%E3%81%91%E3%81%AA%E3%81%84%E3%80%8C%E6%97%A5%E7%B1%B3%E8%AB%96%E3%80%8D-%E9%96%A2%E5%B2%A1-%E8%8B%B1%E4%B9%8B/dp/4872577442/sr=8-1/qid=1172353988/ref=pd_bbs_sr_1/503-3036704-0344765?ie=UTF8&s=books

とか、かの重要書籍と言える「拒否できない日本」

http://www.amazon.co.jp/%E6%8B%92%E5%90%A6%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%81%AA%E3%81%84%E6%97%A5%E6%9C%AC-%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%81%AE%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%94%B9%E9%80%A0%E3%81%8C%E9%80%B2%E3%82%93%E3%81%A7%E3%81%84%E3%82%8B-%E9%96%A2%E5%B2%A1-%E8%8B%B1%E4%B9%8B/dp/4166603760/sr=8-1/qid=1172354152/ref=pd_bbs_sr_1/503-3036704-0344765?ie=UTF8&s=books

とかの注目度も上がってきているようで、大変よろこばしいことであります。(この本も遅ればせながら、やっと最近読み始めました。)

僕は単なる「嫌米」というのは、嫌いでして、これらの書籍のように、キチンとした裏付けを持って「ここが良くない」と、誰が見てもグゥの音も出ないような「論破」をすることこそが大切だと思うのです。

そう言う意味では、ちゃんと根拠となる情報の出どころを開示し、引用は引用としてつまびらかにするやり方(そういうやりかたが本来、当たり前でして、自分の感覚や妄想をごちゃごちゃ語るのは、最初から話にならないんですが、土人の国、日本では、そういう妄想論議も別に間違った事ではない、みたいな風潮になっているので困ってしまいます。)が、主流になっていきそうな感じがあってうれしいものです。

すでに、日本においては、新聞やテレビというマスメディアにおいて「言論の自由」は完全になくなっております。それはもう、あの「郵政解散」の時にはっきりわかった。マスメディアが小泉に荷担した。話にならない。

なので、いま日本における「言論」というものは、書籍を中心にした出版文化においてのみ成立しているという、実にあやうい状況なのです。

正直言って、インターネットもダメです。キチンとした「体系」を頭に入れた上で検索すれば、かなりの事が分るのですが、テレビの白痴的内容を見ただけでキーワード検索しても、電通あたりが雇った、アルバイトの書き込みによる大量コメントにしかたどりつけないのです。

自分で勉強してない人は、真実にたどりつけない。

そういう世の中になってしまってるわけです。

日本の出版社というのは、それこそ中小の小さな会社がひしめきあって、いろいろな書籍を、いろいろに出しているので、なんとか「言論統制」から逃れられていると言えます。

しかし、この部分も、たとえばアマゾンとかで、一括して押さえられてしまう可能性もないことはないわけで、本当に意識して「真実」を探すスタンスで物事を見ていかないと、何もわからないってことにしかならなくなってしまうなぁと思うのです。

とは言うものの、この「日本の真実」が売れていたり、ベンジャミン・フルフォードが頑張っていたり、「拒否できない日本」がちゃんと売れていたり、「年次改革要望書」の話が、普通に世の中に出てきたりする状況は、実に良いことだと思うのであります。

もっとちゃんと理解しないといけないですよね。

そういう意味では、いま公開中の映画「バブルへGO」という奴も、アメリカによる金融コントロールによりバブル→バブル崩壊へ進んだという認識のもとにコメディ映画にしたてあげて「俺たち騙されちゃったんだよ。」をちゃんと描いてるらしく、実に興味深い。あの映画も見に行かなくっちゃ。

昔の「私をスキーに連れてって」の馬場さんが監督してるらしいけど、馬場さんも学習したってことだよね。やっぱり勉強しなきゃなぁ。

で、勉強するなら、「書籍」で、なおかつ、「ひとつのジャンルで複数冊(最低10冊)は読む」という「体系を押さえる」というやり方が正しいし、賢いだろうって思う。
(なので、このレビューも関連書籍をいくつも紹介してるのですが。)

こういう日本・アメリカの関係性を、日本が収奪されてしまっている側なのだ、というように捉えている流れは、やっぱり副島隆彦さんの「属国・日本論」

http://www.amazon.co.jp/%E5%B1%9E%E5%9B%BD%E3%83%BB%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AB%96-%E5%89%AF%E5%B3%B6-%E9%9A%86%E5%BD%A6/dp/4772704302/sr=8-1/qid=1172355598/ref=sr_1_1/503-3036704-0344765?ie=UTF8&s=books

からこそ始まっている訳で、そういう意味では、この「属国・日本論」の「政治・経済・文化のすべてを帝国と属国の関係で読み解く」という大きな枠組みでの視点を提供した書籍の存在意義は、とても大きいと言わざるを得ないわけです。

まず我々が、「属国に暮らしていて、帝国からの縛りを受けている」という事実を直視しない事には、なにも始まらないわけです。「日本には日本独自の文化がある!」とかなんとか、自国の文化のカラの中に閉じこもっていても、何の意味もない。

敵を知れば百戦あやうからず、という事で、まず敵の文化ややり方を「正しく」学習した上で、対抗策を考えないといけないわけです。

しかし、いまの日本、自分たちが「属国である」という事実を認める事すらできない、情けない感情論の方が「普通」なわけです。

はっきり言って「帝国」の方が、人材も豊かだし、高度な情報も山盛り集まっているのです。だから、その事実を正しく把握して、相手側の知識を分捕ってこないといけない。そうでなきゃ対抗できるわけがないのです。

まぁ、そんなこんなをひっくるめて、小室-副島-その弟子という流れから、こういう書籍が生まれて、しかもそれが支持されているという事に、大いに安心感を感じておる私ではあります。

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